氣食暦(16)
~冬至の候~
前回、氣食(15)を書いて以来、早一年が経った。
コロナ禍の中、生活困窮に陥った方々の支援、そこに海外の難民支援の要請、奔走する内にこの一年は過ぎて行った。
今日は冬至、大気の乾燥度の進むこの頃、乾いたしつこい咳に悩まされる方に会うことが多くなった。
その方々に、以下の氣食粥を試されることお勧めしたい。
【二冬粥】
材料:麦門冬10g 天門冬10g (どちらも、漢方生薬を置いている薬局で)
米80g
氷砂糖15g又は蜂蜜好みで
麦門冬はユリ科ジャノヒゲの根粒。天門冬はユリ科クサスギカズラの根
作り方:麦門冬、天門冬を茶袋に入れ、土鍋に水200cc入れ半量位まで煎じる。
煎じ汁は取り置いて、土鍋に水をたっぷり入れ、強火で沸騰した所に
洗った米を入れ煮立ったら、弱火で煮込む。
そこに、煎じ汁と氷砂糖を加え米が柔らかくなるまで煮込む。
好みで氷砂糖の代わりに蜂蜜を適量加えても良い。
氣食のレシピは、ほとんど日常の食材、採集した山野草などを使用するが、このレシピでは、麦門冬と天門冬という生薬を用いる。もっとも、ジャノヒゲにせよクサスギカズラにせよ私達の生活のそばに何気なく姿を見せている。沖縄の海辺でクサスギカズラが繁茂しているのを目にしたことがある。
麦門冬も天門冬も似たような効能がある。麦門冬が含まれる漢方薬には、痰の粘りつくような咳などに処方される麦門冬湯の他、温経湯、炙甘草湯、辛夷清肺湯などにも含まれている。天門冬は、滋陰降火湯や、清肺湯などに含まれ、どちらも補陰・潤肺・止咳の作用がある。
寒い夜には、ふうふうと熱々のお粥を召し上がれ。 樹遷記
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