管理人

記事一覧(2)

杜のまなざし(15)

 「抱護」 抱護という言葉に出会ったのは、沖縄で読谷村の各字の文化財マップを作成する作業を手伝っていた時である。 ウチナーグチでは、「ほうぐ」とも、「ぽうぐ」とも。字の古老に戦前の集落について、聞き取りをしていると、この「抱護」について語られることがあった。また、戦前の集落の絵図などを見ると、集落周囲に木々が繞らされ、抱護と書かれているものもあった。 その抱擁し、守るという言葉のイメージの優しさが心に響いた。残念ながら、沖縄戦、その後の米軍による土地強制収容、基地建設などで抱護の多くは失われた。本土復帰以降の開発が抱護消失に止めをさした。 現在抱護の名残を見ることが出来るのは、沖縄本島では本部半島の備瀬の集落、宮古群島の多良間島、離島の開発の及んでいない海岸そして山原の森などである。 今日、抱護は防風林や、防潮林などと理解されている。「抱護林」などと表現する方もある。しかし、抱護について調べて行くと、どうも単なる防風林や防潮林とは、結果としてその様な働きもするが、根本の思想が違うと思えて来た。 詳しく解説するには一書をもってしなければならないが、端的に云えば集落景観、山林景観、島全体の景観を形成する根本思想である。自然を抱き、自然に抱かれる。人間と自然は生命体として平等な関係にあるという精神がそこにはある。 因みに、この「抱く」という概念は、沖縄の精神世界の根底をなすもののように思われる。八重山の古謡に、「潮を抱いておられる大親・島を抱いておられる大親」、「弥勒世を抱き下ろした・神の世を抱き下ろした」、「親村におし抱かれて」などの言葉が波照間島、竹富島、石垣島新川村などの歌謡に唱われている。また、琉球古典舞踊では、「甕を抱くように踊る」ようにと心得が教えられているという。「琉球文化の基層には、人々を抱き、集落を抱き、島々を抱き、宇宙を抱く、という壮大な生命観が宿っていて、それは言い換えれば生命繁盛の精神文化といえる。」(仲間勇栄2012)という文章に、美事にその本質が書かれている。抱くという、本質的人間の優しさの風景。 「抱護」の概念は、本来中国由来の風水思想にある。「抱護」と言う用語は、近世沖縄の傑出した琉球王府の政治家(三司官:現行の国務大臣にあたるだろうか)にして、沖縄の山林を荒廃から立ち治らせた卓越した森林行政の指導者でもあった蔡恩の活躍以降、文献に現れることから、蔡恩によって沖縄の精神世界の根底にある「抱く」思想と結びついて、沖縄独自の風水的景観、自然観が産み出されたと思われる。 風水は、ともすれば迷信の類に見られがちだが、中国周代に始まり広く東アジア文化圏に伝播した「氣の地理学」ともいうべきものである。この風水の抱護という概念を、沖縄の自然環境、夏に頻繁に襲来する台風、冬の北よりの強風という厳しい自然環境条件を和らげる智恵として、また当時荒廃しきっていた沖縄の山林を復活させる実践として工夫したものがかつての沖縄の景観を織り成した「抱護」である。  抱護には、屋敷林とも言える家周囲を囲む福木:屋敷抱護、集落には集落後方の「腰当て嶽」「腰当て森(クサティムイ)」のウタキ(聖域)や先祖の墓地のある森を起点に集落を囲む様に繞らされた林帯:村抱護、海岸域のアダン、オオハマボウ、クロヨナなどで形成する浜抱護、もっと広くは行政区域全体に及ぶ様な間切抱護まである。

養生塾北陸の集い2019・年間スケジュール

[立春の候]2月 14(木)夕 しずく塾①   16(土)午前 氣育①(10:30~11:30 以後同様)        午後より17日午前まで養生塾① 午後いやし合いの会①[春分の候]3月 21(祝)午前 いやし合いの会②   22(金)午前 氣育②        午後より24日午前まで養生塾② 午後 しずく塾②[穀雨の候]4月 26(金)夕 しずく塾③   27(土)午前 氣育③        午後より29日午前まで氣欒塾① 午後 いやし合いの会③[立夏の候]5月 17(金)午前 氣育④       夕方より19日まで養生塾③   19(日)杜のまなざし塾①[芒種の候]6月 13(木)夕 しずく塾④   14(金)午前 氣育⑤        夕より16日午前まで養生塾④ 午後 いやし合いの会④[小暑の候]7月 19(金)午前 氣育⑥   20(土)~22日(月)旅の杜のまなざし塾②[立秋の候]8月 9(金)午前 氣育⑦   10(土)~11(日)焚き火のしずく塾⑤[寒露の候]10月 17(木)夕 しずく塾⑥   18(金)午前 氣育⑧        夕より20日まで養生塾⑤ (20日杜のまなざし塾含む)[小雪の候]11月 22(金)午前 氣育⑨        午後より24日午前まで氣欒塾② 午後 いやし合いの会⑤[大雪の候]12月 7(土)午前 氣育⑩       午後より8日午前まで養生塾 午後 いやし合いの会⑥ 上記、各講座内容、受講申し込み、その他詳細は下記にご連絡下さい。連絡先:090-2039-4390 担当:樹伯尚、「養生塾北陸の集い」ホームページよりもお問い合わせ頂けます。